このニュースの中に【厚労省は06年3月、同種器具を使い回さないよう求める通知を出した。05年に英国で、カバー交換せず複数に使われた結果、2人がB型肝炎に感染した疑いがあると報告されたため。だが、都道府県などに出されたこの通知が多くの病院や診療所に伝わっていなかったことも今回、明らかになった。同省は通知のあり方を見直す方針だ。 】と記されていたので、厚生労働省の06年3月の通知がどんなものか調べた。
採血用穿刺器具(針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの)の取扱いについて(注意喚起)という書類(事務連絡 平成20年5月22日 各都道府県医政主管課長殿 厚生労働省医政局総務課医療安全推進室長・厚生労働省医薬食品局安全対策課安全使用推進室長)の中に、次のような文書が添付されている。
単回使用医療用具に関する取り扱いについて(医政発第0209003号 平成16年2月9日 各都道府県知事殿 厚生労働省医政局長)
標記については、先般行われた医療安全対策検討会議ヒューマンエラー部会(部長:矢野義雄 国立国際医療センター総長)において、医療機関における単回使用の医療器具の再使用に関する実態が示されたところである。このため、ペースメーカーや人工弁等の埋め込み型の医療材料等については医療安全や感染の防止を担保する観点から、その性能や安全性を十分に保証し得ない場合は再使用しない等の措置をとるなど、医療機関として十分に注意されるよう関係者に対する周知徹底方よろしくお願いする。なお、使用する医療器具が単回使用製品であることは「医療向け医療用具添付文書の記載要領について」平成13年12月14日付け医薬発第1340号厚生労働省医薬局長通知及び、医薬安発第158号厚生労働省医薬局安全対策課長通知において添付文書上明示することとなっていることを申し添える。
この文書を読むと、単回使用の医療用具とはペースメーカーや人工弁当の埋め込み型の医療材料等を含む製品を指し、具体的にどんなものが該当するかについては平成13年に発出した「医療向け医療用具添付文書の記載要領について」という文書と「医薬安発第158号厚生労働省医薬局安全対策課長通知」に添付されている文書に明示されているのでよく読むように、と指示しているように見える。
おそらくこの文書を一読しただけで今回の微量採血用穿刺器具騒動を想定できた人は皆無だったような希ガス。
騒動が起きてから発出された「微量採血用穿刺器具の取り扱いについて」(社団法人日本感染症学会・社団法人日本化学療法学会・日本環境感染学会・日本臨床微生物学会連盟の平成20年7月18日付け)という文書には親切にこんな絵が添えられている。

今問題になっているのは針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないBタイプのもので、その危険性については、末端のキャップを交換しないで針だけを交換しても極めて低い確率だがとB型肝炎に感染する危険性がある、ということだ。針を交換しないのは問題外だ。そしてこの絵に続いて
【針の周辺部分がディスポーザブルタイプではない器具での感染・添付文書でも、針の周辺部分がディスポーザブルタイプでない微量採血用穿刺器具は個人使用に限り、複数人への使用を禁じています。その理由は、英国の文献(2)によるもので、高齢者収容施設で血糖測定用の微量採血用穿刺器具を複数人に対して用いた事例においてB 型肝炎が発生したとの報告です。このタイプの微量採血用穿刺器具は針と末端キャップのついたペン型の器具であり、針の交換を患者ごとに行っても、この末端キャップは穿刺時に患者の穿刺部位に触れる可能性があります。通常、末端キャップを指に押し付けて、指先穿刺したら、直ちに器具を指先から離してしまいますので、血液で汚染される危険性は極めて少ないと考えられます。また、わが国では、針は交換したうえで周辺部分を消毒して複数人へ再使用したための感染事例の報告はありません。このように、穿刺針を交換して、さらに穿刺針の周辺部位を消毒して使用した場合には、感染の可能性は理論的には否定できませんが、非常に低くなります。なお、先般、針を交換せずに、「複数人に使用してはならない器具」を使用した事例が、2 件(島根県、広島県)報道されています。このような場合については、針を交換して使用した場合に比べ、感染の可能性は格段に高くなります。医療器具を血液が付着したまま乾燥させると、その後洗浄しても付着した血液のタンパクの除去が困難となり、その中に存在するウイルスは感染性が約1 週間は残る場合があります(文献3)。】と記されている。
平成16年の事務連絡の文書にこの程度の内容が盛り込まれていれば、今回のような無駄な騒動は起きなかったような気がする。
厚生労働省が平成16年2月9日付けで発出した事務連絡は、多忙な医療の現場に対して少し不親切だと思った。
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注射器が使い捨てになったのはいつからでしょう。
私の子供の頃はアルコールを含んだ脱脂綿で針を拭って同じ針で次から次へ注射していました。
私がC型肝炎の抗体があるのはそれが原因かなぁと思っています。
医局では注射器を煮沸消毒して使っていました。
いまでも開発途上国ではそんな使い方をしているんでしょうね。
ディスポになったのはいつ頃からか分かりませんが、昭和30年代まではまだアルコール消毒した注射針で予防接種を受けた記憶があります。
医療行為が感染を拡げるということもありそうなので、長生きするためには病院に行かないことがポイントかもしれませんね。