セルビアのイバノビッチAna IvanovicがArthur Asheスタジアムに登場すると、客席はまばらだがこころなしか華やかな雰囲気が漂う。今日のウエアはいつもの赤いドレスではなく、白いシャツに薄い茶色系のスカートで少し地味だ。自称身長185センチ、体重68キロはあながち出鱈目ではなさそうな感じで、抜群のプロポーションと愛嬌のある笑顔で世界中のオジンを魅了している。だいぶ昔日本にもオヤジ殺しの異名を取る強烈幻惑目線ビームを飛ばす演歌歌手がいたが、Ivanovicの目線ビームもかなり強烈で、集中したときの表情は現役テニスプレイヤーの中でも別格のオーラが漂う。武器は強烈なサーブとエラーの少ない正確なストロークだ。
Ivanovicはここ2年ばかりの間に急激に完成度の高いテニスをするようになったが、考えてみるとまだ20歳というのが驚きだ。エナンの引退によりいきなりナンバー1になってしまったが、今シーズンは怪我に悩まされており全米でどの程度プレーできるか未知数である。ウインブルドンでジェン・ジーに叩きのめされたのは記憶に新しい。ジェン・ジーに叩きのめされるひとつ前の試合ではマッチポイントを握られて危なかった。あれだけの不調から立ち直っているのか気になる。
対するロシアのドゥシェビーナVera Dushevinaは21歳で身長180センチ、体重73キロの恵まれた体躯を生かしたパワーヒッターである。2003年16歳から全米オープンに出場しており、昨年は3Rまで勝ち進んだ。過去にイバノビッチとの対戦成績は1勝5敗だが、勝ったのは3年前05年のドバイのハードコートで、その後は見事にやられている。特に昨年も一昨年もどうしたわけか全米ではイバノビッチに苦汁を飲まされる結果になっており、3年連続全米でイバノビッチと対戦する今回は何としても勝とうと思っていることだろう。しかも相手がいつの間にか第1シードに格が上がっているとあれば、この試合にかける意気込みは半端でない筈だ。
スコアを見るとAna Ivanovicが6-1,4-6,6-4でかろうじて勝っている。試合時間は第1セットが27分、第2セットが45分、第3セットが50分となっているので第1セットは楽勝ムードであったが、終盤激しく追い込まれている。この試合のスコアを見る限りイバノビッチの調子がどの程度戻っているか分からない。
イバノビッチのHPを覗くと
In her first match in almost a month, Ana beat Russian Vera Dushevina 6-1, 4-6, 6-4 to reach the second round of the US Open. The top seed and world No.1 was cruising when leading 6-1, 4-2 and 0-30 on the Dushevina serve, but took over two hours to complete a morale-boosting victory.
と第2セット4-2とリードしDushevinaのサービスゲームを0-30と追い込んでから長い航海をしたが、どうにか次につながる勝利を手に入れたと表現している(実際にゲームを観戦すると15-40と2個のブレークポイントを握ってからひどい崩かたをしている)。勝負事は一旦相手に勢いが流れると、それを取り戻すのは容易ではない。初戦でイバノビッチが消えると全世界にトップニュースとして流れただろうから、イバノビッチの関係者一同はそっと胸を撫で下ろしたことだろう。
試合を見ながら全米オープンのHPで二日目の結果を大急ぎでチェックすると、昨日錦織が初勝利を挙げた13番コートの第1試合で杉山愛が勝っていた。対戦相手のAndreja Klepacと杉山愛は昨年の全米オープンの1Rで戦い、杉山が6-3、6-1でAndreja Klepacを一蹴していた筈だ。偶然というものはあるもので今年もAndreja Klepacは1Rで杉山と対戦し、4-6、6-3、4-2というスコアで負けた。第3セットが4-2という中途半端なスコアで終わっているのはAndreja Klepacが故障をしたせいかもしれない。
今年の獲得賞金額はAndreja Klepacが18勝25敗で$67,595、杉山が24勝22敗で$528,826。第1セットをAndreja Klepacが杉山から取ったときはこれで少しは暮らしが楽になると思ったことだろうが、百戦錬磨の杉山の前に屈したのはさぞや悔しかったことだろう。考えてみると杉山はグランドスラムに15年連続出場という恐ろしくタフな記録を持った選手だ。写真を見るとKoper, Slovenia 在住のAndreja Klepacはなかなかに引き締まった美形であったが少し気が弱そうな表情である。可憐な少女という面影が漂う。この目線ではなかなか杉山に勝てないかもしれない。Klepacの怪我を差し置いても、杉山が相変わらず9本もダブルフォールトをおかしているのに、そこにつけ込むことが出来なかったのはさぞや残念だったろう、と思ふ。
まあ、とりあえず杉山オメ!
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2008年08月27日
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