ページをめくると【病院の言葉の分かりにくさには,いくつかの類型があります。各類型を代表できる言葉57語を取り上げ,分かりやすく表現する具体的な工夫について,検討しました。】とある。57語はどんな言葉なんだろう。資料にはこんな言葉が並んでいる。
| 悪性腫瘍・イレウス・インスリン・インフォームドコンセント・ウイルス・うっ血・うつ病・エビデンス・炎症・黄だん・介護老人保健施設・ガイドライン・潰瘍・化学療法・合併症・寛解・肝硬変・緩和ケア・既往歴・クリニカルパス・グループホーム・膠原病・抗体・誤嚥・重篤・腫瘍・腫瘍マーカー・ショック・浸潤・腎不全・ステロイド・生検・セカンドオピニオン・ぜん息・せん妄・尊厳死・対症療法・耐性・治験・糖尿病・動脈硬化・頓服・熱中症・脳死・敗血症・貧血・副作用・プライマリーケア・ポリープ・メタボリックシンドローム・予後・ADL・COPD・MRI・MRSA・PET・QOL |
殆どは聞いたことがあるが、中にはあまり聞いたことがない言葉もある。意味が分かったような分からないような言葉もある。医者に行く時はメモ帳と筆記具を持ち、分からないことがあったら直ちに紙に書いて遠慮なく医者に質問するべし、という指摘がエッセイストの岸本葉子氏からあったがまさしくその通りだと思ふ。(本日12月4日放送の視点論点「医療と言葉の力」この10分間の講演は1週間ほどして解説委員室のサイトにテキストで公開されるので現在通院中の人は必読)
「悪性腫瘍」という言葉に関しては、AからFに示すように実に分かりやすい説明・提言がある。医療者用に作成されたものだろう。
| A最低限の説明 細胞が異常に増えてかたまりになったもののうち,すぐに治療が必要なもの。 B少し詳しい説明 「腫瘍(→21)のうち,大きくなって周りに広がったり,違う臓器に移ったりして,命に危険が及ぶ可能性のあるもののことです。 C時間をかけてじっくり説明 「腫瘍のうち,大きくなって周りに広がったり,違う臓器に移ったりして,命に危険が及ぶ可能性のあるもののことです。皮膚や粘膜からできるものをがん,骨や筋肉,神経からできるものを肉腫(にくしゅ)と言います。」 Dこんな誤解がある 1. 「悪性腫瘍」という言葉の誤解は,「がん」よりも危険が小さい,危険が大きい,双方がある。 * 悪性腫瘍は,がんよりも危険性が小さいという誤解が,24.8%ある。 * 悪性腫瘍は,がんよりも危険性が大きいという誤解が,17.5%ある。 2. それほど多くはないが,患者によっては「悪性腫瘍」をがんではないと誤解する場合がある(4.3%)。この場合,治療を拒否したり放置したりする危険性があるので,危険をはっきり認識してもらうための言葉遣いの工夫が必要である。 E効果的な言葉遣い 1.「悪性腫瘍」という言葉の認知率は極めて高く(98.6%),理解率も高い(88.6%)。しかし,その差が10%あるということは,10人に1人は, 「悪性腫瘍」と言われても,何のことか分からないということを示している。「悪性腫瘍」「悪性の腫瘍」という言葉を使って告知や病気の説明をする場合,こ の点への留意は必要である。 2.「悪性腫瘍」を,がんではないと誤解する人に対しては,「悪性腫瘍」はがんにほかならないことを理解してもらう必要がある。[まずこれだけは],[少し詳 しく]に示したような言い方では,「がん」の危険性が伝えられない患者に対しては,説明の早い段階で「がん」という言葉を使い,病気の危険性を,はっきり と伝えることが望ましい。 F患者の不安の軽減を 「悪性」という言葉には,かなり強い響きがあり,患者に大きな不安を与えるおそれ がある。「悪性」という言葉をいきなり使わない配慮は,患者の不安を軽くし,医師の説明に耳を傾けさせ,治療への意欲をはぐくむ効果が期待できる場合もあ る。まず「腫瘍」という言い方から始め,「悪性」という言葉を使わないでその内容を説き,必要に応じて,「悪性腫瘍」「がん」などと説明を加えていくこと が考えられる。 |
病院の言葉57語についてこういう資料が公開されている。素晴らしいことだと思ふ。現在は中間報告となっているが、57語についてはマスコミを介して大々的に公開してもいいような希ガス。医療従事者用に抽出された言葉かもしれないが、患者にも極めて有益な資料だと思ふ。
早速必要な言葉を印字して、何度も読み返している。寄る年波のせいか活字にして読まないとなかなか頭の中に入らないのだった。orz
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しかし素人向けに正式名称でない説明をされるのも困りものです。
私は娘の子宮筋腫が待ちの産婦人科でレベル4と言われてステージ4の末期がんと勘違いしてあせりました。北里病院でクラス4と言われたときはほっとしました。レベルという医学用語はないそうです。
待ちの産婦人科医は素人にわかりやすくというつもりでレベルと表現を使ったのでしょうが困ったもんじゃ焼き。
大きな病気になるとチーム医療になりますので、それぞれの医師が治療の説明を正確にするのは難しい。いっそのこと病院内に説明専門の部門があってもいいのかなあ、と思います。