日本の裁判は三審制なので、地方裁判所の判決に不服がある場合は上級審すなわち高等裁判所に控訴でき、さらに高等裁判所の判決に不服がある場合は最高裁判所に上告できる。今般の光事件では地方裁判所の判決に検察側が控訴し、その控訴が認められ高等裁判所で審議され一審と同じ無期懲役の判決が出た。当然検察側は最高裁に上告して判断を仰いだが、その結果は強姦目的や殺害方法などの事実認定を「揺るぎない」とし、「量刑は不当で、著しく正義に反する」として審理を差し戻した。従ってこの裁判は地裁→高裁→最高裁→高裁とほぼ10年の歳月をかけて四度に亘って慎重に審理されたことになる。
この裁判で被告人の供述・検察側と弁護側の主張を簡潔にまとめた表があるので眺めている。

この表を眺めながら、AFPのニュースを読むと
【判決言い渡しに際し、同高裁の楢崎康英(Yasuhide Narazaki)裁判長は、犯行は「冷酷、残虐で非人間的だ」とし、被告は「罪の深刻さと向き合うことを放棄し、死刑を免れようと懸命になっているだけだ。反省心を欠いており、極刑はやむを得ない」と述べた。】という記述に納得するところは大である。
しかし、次に続く【被告側弁護団は判決を不服として即日上告した】という一行を読むと、この裁判はこれから再び何年も時間を要するような気がして、弁護側としては当然の要求だろうが、朝から憂鬱な気分になる。果たして五度目の裁判はあるのだろうか?
日本は法治国家なのでこういう手続きは止むを得ないのだろうが、10年の歳月をかけて審理しても尚審理が不足と言うのであれば、今後膨大な時間を掛けて何度審理しても、堂々巡りになるのではなかろうかと思ふ。
上告が棄却されることを切に願っている。


上告は弁護士が職務怠慢で懲戒処分を受けないためのセレモニーだと思っています。
法治国家にはセレモニーが多すぎますね。