2008年04月24日

#1751 ドーピング

 ドーピングという言葉が脚光を浴びたのは、おそらく1988年のソウルオリンピックの100メートル競走で世界新記録を出したベン・ジョンソン事件だろう。それ以来フローレンス・ジョイナー、マリタ・コッホ、中国の馬軍団、1980年代の旧ソ連や東ドイツ選手の驚異的な世界記録ラッシュ、1998年ツール・ド・フランスと連綿と続き2004年のアテネオリンピックでも24人がドーピング疑惑であった。

 オリンピックにとどまらずサッカーのワールカップ、メジャーリーグ、プロボクシング、競馬とありとあらゆる競技でドーピングが発覚している。

 財団法人日本アンチドーピング機構ではなぜ「アンチ・ドーピング」なのかと題して、次の4点を挙げている。

(1) 選手自身の健康を害する
(2) 不誠実(アンフェア)
(3) 社会悪
(4) スポーツ固有の価値を損ねる

 まあ、当然と言えば当然である。そしてドーピングにおける禁止薬物は次のとおりである。

A.興奮剤
アミネプチン、アミフェナゾール、アンフェタミン類、ブロマンタン、カフェイン*、カルフェドン、コカイン、エフェドリン類、フェンカンファミン、メソカルブ、ペンテトラゾール、ピプラドロール、サルブタモール**、サルメテロール**、テルブタリン** および関連物質

B.麻薬性鎮痛剤
ブプレノルフィン、デキストロモラミド、ジアモルヒネ(へロイン)、メタドン、モルヒネ、ペンタゾシン、ペチジンおよび関連物質

C.蛋白同化剤
 1.アナボリック・アンドロジェニック・ステロイド
a)クロステボール、フルオキシメステロン、メタンジエノン、メテノロン、ナンドロロン、19-ノルアンドロステンジオール、19-ノルアンドロステンジオン、オキサンドロロン、スタノゾロールおよび関連物質
b)アンドロステンジオール、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジヒドロテストステロン、テストステロン* および関連物質
 2.β-2作用剤
バンブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、フォルモテロール、レプロテロール、サルブタモール、テルブタリンおよび関連物質

D.利尿剤
アセタゾラミド、ブメタニド、クロルタリドン、エタクリン酸、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、マンニトール、マーサリル、スピロノラクトン、トリアムテレンおよび関連物質

E.ペプチドホルモン、類似物質およぴその同族体
1.胎盤性性腺刺激ホルモン(hCG)
2.下垂体性および合成性腺刺激ホルモン類LH
3.コルチコトロピン類(ACTHなど)
4.成長ホルモン(hGH)
5.インスリン様増殖因子(IGF-1)およびこれらの全ての放出因子、同族体
6.エリスロポエチン(EPO)
7.インスリン:治療のみ可、書面による申告が必要

 今回AFPのニュースで報じられたのは、東アジアでよく見られる遺伝的変異とテストステロンの検出に関することで、なかなか難しい話だ。要するにUGT2B17という遺伝子の保有数によってドーピング検査結果が異なる可能性がある、と指摘されたのだ。だから結論として【Jakobsson氏はテストステロンを対象としたドーピング検査を効果的に行うためには、遺伝子を考慮する必要があると指摘している】と結んでいるが、実際の話この状態ではテストステロンの検出に関してはドーピングから除外しなければなるまい。今回の北京オリンピックでどう対処するのか興味深い。

 ドーピングの検体はおそらく尿が大半だろうが、検査手順を見ると加水分解→抽出→誘導体化→分離→検出で、検出感度は利尿剤のフロセミドで10ng/mlとなっている。ヒトの代謝物となった薬物検出の歴史は、そっくりそのまま超微量薬物検査用分析機器の歴史だったような希ガス。 


posted by あど at 05:58| 青森 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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